Yamakatsu's diary

男は黙ってカント

いれたての珈琲カップの上に手のひらをかざし、蓋をすると、外に逃げようとする熱が水面と手のひらのあいだに溜まり、熱さが少しずつ、少しずつ、だが、確実に高まっていく。そして、いつしか蓋をしておけなくなるまでに熱くなり、コップから手を離さざるを得なくなる。戦争とはそういった類のものだ。それを欲望するのが生理的なものだとすれば、それに反対するのもまた生理的なものだ。繁栄するものからはいつも滅亡の匂いがぷんぷんする。